優れるという愚かさ2011/04/17

今日の詩

 優れるという愚かさ
 懸命という狭さ
 真理という誤り
 善という悪
 完璧という不足
 天才という欠陥
 奥深さというつくりもの
 高みという低さ
 憎もう 避けよう 疑おう
 優れる事を 懸命である事を
 真理である事を 善である事を
 逃げ尽くして
 どこにいくでもなく
 そのままでもなく
 私

解説

 ひとは深い誤りには気付かないようです。身近に転がるあらゆる悪や間違いの原因の原因の原因・・・と突き詰めて行った時に到達する根源の原因が、日頃人々が等しく共通に崇高と信じている価値にある事を。

「国家」、「自由」、「独立」・・・そんな価値に人類は命をかけて多くの犠牲者を出して来た事を歴史は教えてくれます。神という価値に人身御供という犠牲を捧げた歴史は反省できても、未だに平和や平等のために犠牲者を出し続けている事には反省できないようです。

 達人、高邁なる人格、一流・・・そんな人達が言葉の最後に呪文のように唱える崇高な到達点こそ、疑い、検証し、深く反省して、その多くを拒否すべきものなのでしょう。そうでないと、人は身近な誤りから永遠に抜け出す事はできません。

編集長の蛇足

達人A 「私は音楽だけに一生を捧げてきました。その結果分かった事は、音楽は平和のためにあると言う事です。」

凡人A 「音楽しかしないで、食べるものは作らなかったの・・・?」


達人B 「私はボールを追い続けて、追い続ける事により、人格が深まった。子供達にも何かを追い続けて、人格を深めてもらいたい。」

凡人B 「球場つくったり、ユニホームつくったり、なんだか、環境破壊しないで、のんびり暮らしたいな・・低人格でも・・」