【今日の思考訓練】偉人に学ぶシリーズ・安藤昌益2020/10/10

【今日の思考訓練】偉人に学ぶシリーズ・安藤昌益
 なんだか横文字名の新職業が増殖しています。多くは自分でやらないで、人にアドバイスをする職業。古くは教師とか宗教家なんて職業です。最近はなんとかコンサルとかなんとかアドバイザーとかデザイナーとか言っています。
 誰だったか、この世には二種類の仕事しかないと言っていました。自分で物を運ぶ職業と、運ぶものに運び先を指示する職業。要するに、直接物に力を加える職業と、動かす人に情報を与える職業です。これ、安藤昌益流に言えば、直耕する者と、不耕貪食の輩になるのでしょうか。
 指示する職業・・要するに口だけの仕事は、さらに口だけの人にさらに指示されていきます。指示する人を指示する人を指示する・・・って、構造、今の社会組織を考えれば10段階程度あるのは普通です。
 やがて、指示する人が、物を動かしているような錯覚に囚われて、どんどん偉いと思い込まされて、やがて権力と呼ばれる妄想が人々に行き渡りました。本当は実際に物を動かす人が、一致団結して物を動かさなくなる・・・要するにストライキとかやれば、そんな妄想はただちに消滅してしまうのですが。
 そこら、うまく口先で騙して人に物を運ばせる、あるいは金をまきあげるには、「思想」や「概念」という言葉の塊をでっち上げれば良いのです。でっち上げられた思想・概念は無数にあり、まあ辞書にのっている言葉は半分はそんなもの。
例えば「美」・・・幽玄、わび・さび、モダニズム・・・こんな概念をくりだしていけば、芸術家とかデザイナー達は、職業安泰になるのです。
 地獄・天国、悟り、罪、汚れ、悪魔・・・そんな概念を繰り出して、人々に植え付けていけば、宗教家という職業は安泰です。そも天国も地獄も、罪も汚れも悪魔も天使もいつの時代かの発明品。なかなか人々を支配するには、便利な道具でした。まあ、荒れた世の中調停する役割はあったにせよ。 
 日本思想史で一番の過激思想家、安藤昌益は、あらゆる言葉だけの職業を徹底攻撃しました。儒教や仏教の言説に人々が深く組み込まれていた時代に、よくも気がついた・・・まあおかげで、近代まで埋もれた思想家でしたが。
 言葉だけの職業、自ら物を運ばず畑を耕さない輩を減らすにはどうしたら良いか。世の中の寄生物、税金の無駄遣いの根源なんですから・・。
 そんな事企てると、かっての共産主義とか、紅衛兵の文化大革命・・・みたいな過激行動になってしまいますが。ここら、安藤昌益は過激だけど、医者として実務的な科学思想も持ち合わせていたので、実際行動としては、ちゃんと農業をやれ、そして家族を大事にしろ・・国際家族農業年のキャッチフレーズになりそうなことを弟子に説いていました。
 思考の形として、安藤昌益先生に学ぶとすれば、「疑う」という哲学の基本原理です。権威や思想にはまるな、その外に出よ。そして物に直接関われ・・・働く者の世の中にせよ・・って事になります。
 働く者の世の中にせよ・・って事で、権威否定した、共産主義と民主主義も、すぐに、言葉支配構造にはまってしまって、言葉で言葉を否定するだけの政治構造を作ってしまたのは、近代の社会主義国家や、日本の野党勢力も同じ。否定の否定が否定になっていない、同じく迷妄つくりの不講貪食の輩になっているのは可笑しいくらいです。
 ここらをさらに解明するには、次に紹介するヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論の助けを借りないといけないのでしょうか。直接働く者を指示して、それを指示して、さらに指示する、そういう複雑な構造をつくるのは言葉の性質。言葉のゲーム構造なのですが、これは、また次回に解説。
 物を動かす人と、それを指示する人に分裂しない世の中・・自然世と言いますが、それにするには、要するに物を動かす人が自ら考えて指示されないで動けるように頭を使えば良いだけです。そうすれば、余計な政治やらデザイナーやら学者やらに惑わされず、働く者の世の中が訪れる・・・ちゅう事になるわけです。
 てなわけで、こんな人を惑わす怪しい言葉を組み立てていないで、本日は、イネの脱穀に畑にいってきます。晴れたので、良く乾燥していると良いのだけど。
              安藤昌益の弟子
 次はヴィトゲンシュタインです。
 安藤昌益をまだ知らない方の入門は、こちらからどうぞ。
用語集 – 安藤昌益資料館

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